■ＲＡＧ−７９Ｆ アクアジムII
「地球の７０％は海である。海を征するものが世界を征する」
ジオン軍は早い段階から水中用モビルスーツの開発に着手していた。地球へと侵攻したジオンは各戦線で勝利を納め、とくに海はジオンの独壇場となっていった。事態を重くみた連邦軍は、ジオンのＭＳＭシリーズに対抗するべく、急遽、水中用ＭＳの開発を行った。
「ＲＧＭ−７９ ジム」をベースに開発された機体は、「ＲＡＧ−７９ アクア・ジム」としてロールアウトされたが、満足な開発期間が取れなかったため性能的には不十分なものでしかなかった。だが、ＭＳＭシリーズに応戦できる戦力がなかったため、暫定的に量産され沿岸地域などの軍施設に配備された。一部の部隊には改良型の「ＲＡＧ−７９−Ｇ１」（俗に水中用ガンダムと呼ばれているが、アクア・ジムをチューンナップした機体である）が配備されたが、依然としてジオンの優位は動かなかった。オデッサ作戦以降は宇宙での戦闘が中心となったため地上戦の規模は縮小していくのだが、前線では、いまだ激しい戦いが展開されており、新型の開発が求められていた。
「ＲＡＧ−７９Ｆ アクア・ジムII」は、「ＲＧＭ−７９Ｇ ジム・コマンド」をベースに開発された機体である。ジム・コマンドは開発時からパーツの換装により局地戦への対応を考慮して設計された機体ではあったが、水中用への転換は想定されていなかったため実験機としての開発となった。本機には回収したＭＳＭシリーズの解析データをフィードバックされており、それにより開発期間の短縮ができた。テスト結果は概ね良好で、ベース機の基本性能の高さを伺わせる。従来機を大きく上回る性能を獲得したアクア・ジムIIは、順次、アクア・ジムと転換する予定であったが、ほどなく終戦を迎えたため生産数はごく少ない。戦後においてもジオンから接収したＭＳＭシリーズを配備したため、アクア・ジムシリーズはジム系ＭＳのなかでも最も製造数の少ない機体となった。
Ｈｏｍｅ ＧＵＮＤＡＭＩＮＧ Ｏｈ！ＭＳＶ