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白老岳

大滝村
平成13年12月11日

写真:白老岳手前のポコ付近でのラーメンミサ

■夏道のない山 白老岳

美笛峠付近からも道道白老大滝線からも、ひときわ目をひく山が白老岳。
にもかかわらずこの山には登山道が無く、もしかして「藪にしごかれるのが気持ちいいの・・・」とかいうやばめの人ならわかりませんが、冬にしか人が訪れません。

私が担当するエリアの最高峰は知名度もそこそこの「ホロホロ山」。
この白老岳はそれについで2番目にいます。
だからこそ、冬が来たら一番に行きたい山でした。

予報は晴れ時々曇り。朝外を見ると青空。行こう!!

と、決めてから職場前の除雪に1時間、その他の事務整理などを済ませて登り口まで行った時には時計は11時をまわっていましたが、いよいよ冬山シーズンインしたばかりの私は「決行」しか頭にありません。

■ルート概要 ルート図はここ

ニの沢林道入り口から西側に200Mほどの旧道跡が除雪されているのでそこに駐車していざ出発。
大笛橋を渡り276号南側の斜面(カラマツ人工林)を直登、二の沢と三の沢の間、白老岳にまっすぐつながる尾根を行きました。

1週間前には歩くスキーを使っても、ふかふかの雪にストックが地面に達するまで刺さる(80cm)など苦労を強いられましたが、その後一度雨が降ったおかげで雪も締まり、その上に新しい雪が幾度か降って馴染んでいて、山スキーでの歩行はすこぶる快適です。

視界が利いたから、ではありますが、簡単な地形に「うるさい」ほどのピンクテープ。
更にはスノーモビルのわだちが、私から読図とラッセルの二つの苦労を取り去ってくれました。勝手なものですが残念な気持ち、山に行く人ならわかりますよね。

これは実はお仕事なので、道すがら周辺の森林の現況をチェックして歩きました。
いや、そうじゃない!!現況調査に行くためにこのルートを選んだらたまたま白老岳に通じていた。それだけでした。

なだらかな尾根をのんびり歩くと少しずつ尾根は細くなり、ピーク手前のポコを巻き気味に通過するといよいよ最後の登りです。
雪のつきにくい細い尾根や斜面などではまだブッシュが気になりますが、それでも結構快適に頂上直下までは進みました。
いよいよ傾斜もきつくなり、樹木の背も低くなると雪面は固く締まり、ちまちま飛び出てるブッシュとともにスキーでの進行を妨げます。しかし、スキーをはずすとハイマツやツツジ類の低木の隙間を地面まで踏み抜きわずか10mが上がりません。何とか雪庇ができ始めている尾根筋まで横にずれて、固い雪庇にステップ切って待望の初登頂となりました。

■遅い出足が展望を隠す

ひろい尾根を進んでいるうちは展望が利いていたものの、急斜面を行く頃には軽くふぶき始め、山頂では展望なしでした。だらだら出発が悪かったようです。
二度目を誓って山頂を下り、平らな樹林に入ってHYML会員として、はじめて「ラーメンミサ」なるものを体験しました。

そんなことやっていたら帰路の半ば頃には真っ暗。ヘッドライトもなしで、登山としてはあるまじき行為でした。が、尾根を境に片方にはトドマツが、片方には雪原が、もう少し行くとアカエゾが・・・、といった情報を頼りに無事下山、帰宅できました。

秋山シーズンが終わりを告げてから実に1月半。
久々の山に、身体は疲れても気持ちは最高でした。

お隣の南白老岳も、道がなくて気になる山ですね。今シーズンいけるか???


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