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大雪山 (白雲岳避難小屋)

写真:緑岳から高根が原、トムラウシ山

2001/09/22

ここ数年、秋の連休は職場の研修などで東京に行っていて、北海道の山の紅葉を写真に納めた経験が余りありません。今年ついに、大雪の紅葉を見られることになりました。
「大雪山に初雪」の見出しが新聞に出たのは、待ち望んだその日の、ほんの数日前でした。

±0℃対応の夏用シュラフ(寝袋)とシュラフカバーか、-30℃対応の厳冬期用か。
シュラフをはじめ夏、冬どちらの装備にすべきか迷うのも、実は楽しみのうちかもしれません。紅葉と初雪の共演を期待しながらの山行準備でした。

銀泉台に着くと、さすがに空気がキンと冷えています。それでも歩けば汗を掻くので、薄手の長袖シャツとTシャツで出発です。
色鮮やかな紅葉を眺め、初めての大雪の紅葉の撮影に胸を膨らませて快調に歩いていると、ちらちらと雪が降り始めてきました。雪はあまり濡れないので、雨よりは歓迎です。強く降るまでカッパは必要ありません。

最初はそんな余裕があったものの、順調に高度を上げるのとともに、次第に雪は強くなっていきます。山の中腹から、なだらかな大雪山の高原の上に出たころには吹雪模様になりました。

白雲岳避難小屋に泊まり、一晩明けてもまだ雪はやみません。小屋の周りは冬のようです。
それでも連休を利用して本州からやってきた登山者たちで、午後になって結構小屋もいっぱいになりました。
今日は一日小屋の中で停滞です。

夕方には雪もやみ、夜には星が出始めました。
3日目早朝4時、撮影のため出発です。

空が晴れたため放射冷却で冷え込んだ空気が肌に刺さります。ヘッドライトで足元を照らしながら雪原を進むと、東の空がオレンジ色に色づき始めました。紺色の夜空を切り開くように朝がやってくると、気持ちは高まり、もう寒さは忘れていました。

朝日が昇ると、誰もが歓声を上げました。

雪化粧した高根が原(上の写真)は、朝日が鮮やかだった割にはやわらかなピンクに染まりました。
カッパのフードのひもをいっぱいに絞り、鼻水をたらす姿はみじめですが、これも山の魅力のひとつです。

撮影を切り上げ小屋に戻ると、風で雪が飛ばされたところに、クモイリンドウが顔を覗かせていました。


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