アラタ 2003年8月号
●皮膚科専門医からのアドバイス
山菜採り、ハイキングなど山に入る野外活動時にはご注意
アウトドアでのレジャーを楽しむのに、絶好の季節になりました。アラタ世代の方は、特に人気の山菜採り、軽登山など、山野に入る機会が増えることと思います。そこで「さいとう皮膚科クリニック」の日本皮膚科学会認定医・斎藤和哉院長に入山時に起こる代表的な症状と予防のポイントを伺いました。
うるしやマダニによる怖い皮膚のトラブル
まず、山に入ったときに起こり得る代表的な皮膚のトラブルには、何があるのでしょうか。
代表的なのが「かぶれ」。接触皮膚炎ともいい、患者さんに合わない物質に触れたときに、皮膚にかゆみや炎症が起こります。その中で「うるしかぶれ」はアレルギー反応で起こるもの。金属アレルギーなどと同様の発症の仕方で、かぶれを起こす人と、起こさない人がいるのが特徴です。ほかの人にうつることは、ありません。
「うるしかぶれ」の原因は、アルコールの一種のウルシオールという揮発性の成分といわれています。蒸発しやすく、周囲の空気に含まれていることがあります。ですから、うるしに触っていなくとも、周りを通っただけでかぶれることもあるのです。
次に「虫刺され」。特に注意したいのが「マダニ咬症」です。山野から帰った後、背中に赤黒いできものが!それはマダニ。山の中の木の上でマダニは待ち構えています。人の吐く二酸化炭素、振動や音に反応にして木の上から、寄生。人以外に、ほかのほ乳動物にも寄生し、えりから進入。背中や肩に付くことが多いです。皮膚を刺すくちばしのような口器は↓≠フようなモリに似た形をしており、一度、皮膚に入ると簡単には抜けません。無理に引っ張らないこと。
予防は侵入を防ぐ服、治療は専門医へ
ほか「日光皮膚炎」も含め、予防として気を付けたいことは、服装。@露出する部位を少なく、長袖、長ズボンで口が狭いものをA帽子をかぶり、軍手をするB日焼け止めを顔、首、腕などの露出部位に塗り、四時間毎に塗り足すーなど。治療はあくまで専門医へどうぞ。